診療科・対象疾患

統合失調症

古くは精神分裂病と言われていました。

陽性症状(幻聴・妄想)

「監視されている感じがする」
「誰かが自分を操っている」
「泥棒に入られている」
「食べ物に毒が入っている」
「お前には生きている価値がない」
など

陰性症状(感情鈍麻・自閉など)

「喜びの感情がわかない」
「外に出る気がしない」
「人と話したくない」
など

認知機能障害

「本を読んでも内容が頭に入らない」
「考えがまとまらない」
「ものごとのつながりが理解できない」
など

上記のような症状を特徴とする病気です。
幻聴や妄想があったからと言ってそれが必ず統合失調症の診断になるというわけではなく、認知機能障害の程度や経過などにより総合的に診断されます。

実際の症状

  • 夜寝ない
  • 一人で閉じこもりきりになる
  • 独り言をブツブツ言う
  • やたらに疑り深くなる
  • 奇妙な行動が見られる(家の鍵をかけまくる、部屋に目張りをするなど) などがよく見られます。
  • 不穏興奮や迷惑行為(壁に穴を開ける、警察や他人の家に怒鳴り込むなど)、 自殺企図(幻聴が「死ね」と命令してくるなどの理由で) なども見られ、入院治療が必要なこともあります。

原因は不明ですが、一般的に悪くなったり良くなったりを繰り返しながら慢性の経過をたどっていきます。

類似疾患

統合失調症と診断されるものの他に、他の病気(脳血管障害・ストレス障害・発達障害・薬物依存など)でも似たような症状を起こすことがありますが、必ずしも上記のような経過をたどるわけではありません。
また統合失調症類似の病気で、気分の波とともに幻覚妄想が出現する統合失調感情障害(非定型精神病)がありますが、これは治療方針も経過も一般的な統合失調症とはやや異なります。

治療

抗精神病薬(メジャー・トランキライザー)による薬物療法が主で、発症からあまり時間がたっておらず早期に治療を開始した場合には大幅に症状の改善が見込めることがあります。
慢性化してしまった場合には改善が困難なことがありますが、不眠やいらいら感などに対して補助的に薬物療法を行うとともに、環境調整なども治療の一環として適宜行います。
「自分は正気だ、病気ではない」と思い込んでいる方もしばしばおられるため、家族の協力も大切です。